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  • uemura4

創作者として思うこと

どうも、いしやまです。

なんだか物々しいブログタイトルです。

私個人、物を造る人間として

まだまだどれほどのものなのかというところもありますが、

最近たまたま記事で見て気になったことがあるので書いていきます。

出来事自体はもう数年前の事なのですが、

ネットやTVでも取り上げられました、

㈱照井信三建築研究所側が竹中工務店を相手取り、

著作権に関する訴訟を起こした通称「ステラ・マッカートニー事件」について。

詳しくは下記サイトで原告照井氏側の弁護士が語っているので

そちらも見てもらえるとよくわかると思いますが

(参考)

http://tasukumizuno.hatenablog.com/entry/2017/11/09/125706

https://twitter.com/teru282

簡単に事件の経緯をまとめると、

施主が、表参道に建てる店舗ビルの設計を竹中工務店(本事件の被告)に依頼。

竹中が基本設計案を提出するも、その一部に納得がいかず、

施主は建築事務所(原告)に対しデザイン提案を依頼。

建築事務所はデザイン案を提出、施主はそれを気に入り、

提案資料をそのまま竹中へ。建築事務所へはデザイン料を支払う。

竹中はそのデザイン案をベースに詳細な設計に着手→施行

(その間、建築事務所は竹中に対し、共同設計を提案するも

 竹中は即座にこれを拒否)

ディテールの検討、照明計画などを進めて、詳細な検討は竹中が

引き継いだものの、完成したものはほぼ建築事務所の

デザイン案がそのまま採用された形。

しかし、

竹中はこの建築作品を竹中単独で賞に応募。みごと入賞。

建築事務所はこの建物に対し、自分も共同設計者であり、

著作権を有することを認めてもらいたいと竹中に申し出るも、

竹中はこれを拒否。

デザイン監修などの名前で建築事務所の

名前をクレジットに乗せることを全面的に拒否した。

これに憤慨し、建築事務所は、自分にも著作権があると

主張し、竹中に対し訴訟を起こす。

と、いうもの。

簡単にまとめるつもりが長くなってしまいました(泣)

もっと簡単にまとめてみましょう。

施主「なんかいい案ない?」

事務所「こんなデザインどう?」

竹中「わかった。なんとか作ってみる」

~数日後~

竹中「やったー出来たぞー。この作品は俺のものだー」

事務所「ぐぬぬ。見せなきゃよかった」

ってカンジですかね。

この件、原告側が負けてるんですよね。

被告、竹中工務店の主張は

「照井氏はデザインのアイデアを提案したに過ぎず、創作行為はしていない」

というもので、裁判所側もこの考えを認める形になりました。

この裁判の争点は「アイデアの提案は創作活動にあたるか」にあり、

結論は「否。ゆえに原告は創作者ではないので著作権は認めず」

ということでした。

もうひとつの争点として、

伝統的な和柄をデザインモチーフに採用していたことから、

原告独自の案と認められるか。というのもありました。

たしかに既存の何かから着想を得てデザインを考案した場合、

それはオリジナルのデザインと呼よんでいいものか。判断が難しいところだと

私も常々思っています。が本ブログの主旨とは違うので

その点についてはまた別の機会に話せればと思います。

話を戻しまして、

「アイデアに著作権はない」

「デザイン案は創作行為ではない」

と法的に結論されたのです。

なんだかもう・・・・

そうなると、例えば、

提案コンペに応募

落選

でも主催者側が落選案を気に入り、別件で勝手に落選案を実施

応募者(落選者)がその事実に気付き、抗議

しかし落選者にはその案の著作権はなし(創作はしていない)

ってことも有り得るってことですね。

私個人としては

思いや考え方、アイデアなんかも

その人個人の人生経験から生まれた価値観をベースに生み出されるもので

アイデア=思想はその人の創作物の一部ではないかと思うのです。

その点で、今回の判決は非常に残念なものでした。

「考えただけじゃ、おたくに手柄はないよ」と言われているようで。

この件は私としては、

いくつか見ている建築がらみの記事の中でも

ひときわ目を引き、考えさせられるトピックでした。

原告側もその代理人も、今回は勝ち目が薄いが、

社会に対してなんらかの問題提起ができれば、という狙いもあった

訴訟に踏み切ったそうです。

ツイッターなども一時期盛り上がったそうですし、

こういったことに多くの人が関心をもって

議論が深まるといいと思います。

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